外出
たもつ

 
 
バス停が鳴いている
訪れることのない朝のために

昨日、私はミシンの音を聞きながら
水道管の裏にたくさんの
傷をつけたのだった

手をあわせれば
祈りのように見えるけれど
それは許された
たった一つのエゴ

無人のバスを見送る
深夜、私は自分の皮膚から
外に出られない
 
 


自由詩 外出 Copyright たもつ 2009-06-13 18:32:16
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