耐性
ふるる
空の背中に
茜色の翼が生えて
夜が終わる
オーケストラの余韻のように
薄れゆく星たち
ああおはよう
今朝のミルクはいつもより冷えて
そんなことが
秋へと読み進むセンテンス
明け方まで起きていたのは
ペルセウス座流星群を見ていたから
星がかすめ去った時
胸の傷が痛んだの
とても大切な人につけられた
これから
この傷のこと
何だと思って生きればいいかしら
夏には
陽が当たるほどに濃くなる
黒い影
秋には
ヴァイオリン弾きのようにまっすぐな
木立ちの切っ先
そういう風に思いたい
薄れゆく星のように
席を立つ観客のように
忘れてゆく傷にしてしまうことには
まだ
耐えることができない