教室の隅にピーターパンがいた
亜樹

教室の隅にピーターパンがいる。
誰もそれを見ないふりをする。
寂しいピータパンはおどけて踊る。
すると漸く何人か
彼のほうを見て笑う。

教室の隅にピーターパンがいる。
もう誰もそれが見えなくなった。
寂しいピーターパンはおどけて笑う。
それでももう
振り向く者はいない。

教室の隅にピーターパンがいた。
そうしてもういないのです。
「こども」なんてこの教室の
どこを探したって
もうどこにもいないのです。


自由詩 教室の隅にピーターパンがいた Copyright 亜樹 2009-06-09 22:25:24
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