十二月
非在の虹

はじまろうとする
あらゆる終りに贈る
季節たちの語りは終わった
わたしたちは手をはなし
時間のものがたりではなく
空間のものがたりをつくる
これからわたしはここ以外をめざし
ここ以外の土地についてかたりたい
きみもまた
ここ以外の土地について報告するだろう
思えば、冬至の闇こそ
永くなろうとする朝のはじまり
わたしたちの出発にふさわしいではないか
四季それぞれの風は
じゅうぶんに
わたしたちの血とあらゆる分泌物をかわかしたのだ
ここでおわることばたちは
地誌の
序文となるように


自由詩 十二月 Copyright 非在の虹 2009-06-09 20:57:01
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
歳時記