シャボン
モリマサ公

シャボンのあぶくだらけで
下着の女の子たちが楽しそうに
踊りながら緩慢に死んでいく中央線の
雪明かりに似たガラス越しに
泣いている男の子たちがみえる
おちんちんが半勃起したまま吊り革のように左右にゆれている
ドアーが開く瞬間静まり返るお茶の水駅のホームには沈黙が降り積もり
パラソルやタイやリボンを
帽子をシャツを脱ぎ散らかす衣擦れの音がしゅるしゅるしてる
みんな本当の帰る場所に向かっているのを見て
「主よ身許に」のイスラムバージョンをiPodで最ボリュームにプラグインする
シューズと靴下をぬいで
ぼくは順番を待ちながら知らない人にまるで友達みたく話しかける
みんなすごいナチュラルハイなんだよ!
ここではドラッグなんてかわいそうな人だけが隠れてやるものさ!
ミネラルヲーターを口移しで飲み合いっこしながら
白目を剥き笑顔でかかげるピースサインで鮮血の鼻時を流しながら
窓にぶつかってくる女の子の水色のレースのブラが外れて
突起がみえながら沈んでいく



 






自由詩 シャボン Copyright モリマサ公 2009-06-08 22:27:38
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