逢魔が時
愛心
僕は今日 君に
優しくされたくて
小さな嘘をついたよ
子供のように君をからかって
僕の旋毛に落ちてきた
握られた固い拳
瞳を潤ませて
殴られたてっぺん 軽くおさえて
上目遣いに軽く睨んで
イタイ
なんて言葉震わせたけど
ホントはね
その刹那
君の困ったような
焦ったような表情と
恐る恐る 僕のてっぺんに伸ばされる
その優しい手のひらが 欲しくて
赤い耳朶にかかる
《ごめん》
その声が聞きたくて
僕は 可愛い僕はね
純粋で 残酷で 最低な
嘘を 君についたよ
ありがと
へらりと笑う僕が映る
君の泣きそうな 瞳
悪魔みたいな その笑顔の後ろで
空が揺らいで 地面に落ちた
見上げる
なんて切ない 色をしてるんだろう
ごめんね ごめんね
君に手を伸ばすよ