踊るミクロラプトル/ファントム・オブ・フォトン
海里

雨なのであじさいを見に行きます
真水が空から降る星の
不思議を傘で受けとめながら
でも七色の八仙花
お酒の雨ならあじさいの
ほろ酔い加減もわかるのに
開いた傘には雨粒の
直径ごとに音程があって
ぱちぽつぴしぱしビニールと
布とで音色が違います

その一方で鼓膜の傘に
空耳するのはひとりごと
水無し月のナルシスたちは
六月にこそ五月蝿くて

自身に対する心変わりを
心の中のかたむきを
降る雨からそんな風に
双樹の川が流れて行きます
大量のインテグラルとディファレンシャル
花々の微分積分


自由詩 踊るミクロラプトル/ファントム・オブ・フォトン Copyright 海里 2009-06-05 20:17:13
notebook Home 戻る