時
ふるる
道路わきに
手足の長い虫
細い翅を斜め上にひらき
まさに離陸の準備
あの流れ行く白い雲へも
あのぽわぽわした仔猫の耳の上へも
行けるんだよね
いやいや恋人と
あの素敵な青葉の陰で
待ち合わせか
しばらく見ていたら
風が吹き
虫はころりと転がった
ああ、君たち、
君たちはわりとそうなのだけど
次の動作の準備のまま
時を止めていることが多い
自由詩
時
Copyright
ふるる
2009-06-05 09:07:21
縦