その日はセックスしなかった
虹村 凌
六畳に敷かれた万年床に横たわって
彼女は幸せだと呟いた
彼女の彼氏が会社に向かうのを
俺と二人で見送った後に
彼女は六畳に敷かれた万年床で
幸せだと呟いた
その日はセックスはしなかった
こんな事は秘密でも何でもない
彼女の彼氏だって知ってる
六畳に敷かれた万年床に横たわって
彼女は幸せだと呟いた
俺は随分昔の事を思い出して
あの時みたいに三人で眠りたいなと思った
もう一人は彼女の彼氏じゃなくて
俺の好きな人
その日もセックスはしなかった
自由詩
その日はセックスしなかった
Copyright
虹村 凌
2009-06-05 00:38:16