千言万語
月乃助

行雲の下(もと)
海が
寸秒の間に、退(すさ)る
午後の
光の浜は凄艶
眩(まばゆ)い砂子の煌き
陽の中に蹲り
精悍な裸の女は切歯(せっし)
焼けた亜麻色の太い隻腕を伸ばす
水平線まで一面に晒(さら)された
数知れぬ魚の
その内臓に宿った寸言を求め
活きたそれを
漁(すな)どり始めた


自由詩 千言万語 Copyright 月乃助 2009-06-04 02:36:51
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