部屋と
KETIPA

  泣い て いた


多くの人が泣いていた
でもこんな羽毛のような悩みで泣いているのは自分だけだと
また多くの人が そう確信して泣いていた
自分だけだと  確信して泣いて


石の粒子が隙間からしみだす水を  い
精神安定剤のように服用する
泣いている時だけ自分のことが少し好きになれた という偽り


自分だけ だと泣いていた
自分だけだ と泣いてい た     た

彩度の低い冬に
しめしめと泣いていた
星の群集を見上げて泣いている自分は
  氷混じりの大気に装飾されていた虚栄の、

 一歩成長したか のように滴らせた涙はもう戻らないんだよ
ということを最初に言ったのは君ではないよ。



片隅が好きだと言い張る 理解されないはずだと

 という偽り
泣いていた部屋 と、

                    の

公然の密会
自由に生きていたつもりが実はとても不自由に生きていた
 ことに気づいた時に泣いていた
  のは、

ということを最初に言ったのは君ではないけれども。


                     に
                     。


自由詩 部屋と Copyright KETIPA 2009-06-03 22:47:51
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