京都のおんな
あ。

あんさん、覚えておきなはれ
京都のおんな、みんながみんな
はんなりしてるおもたらあきません
御着物似合うおもたらあきません

夜の先斗町はえらいにぎやか
酔っ払った兄さんたちがふらふらと
あっちからこっちへと千鳥足
早足で追い抜いて三条に向かう

大橋から鴨川を見下ろすと
この時期の風物詩、川床が
まあるい灯りをぽんぽん照らし
毎夜毎夜のお祭りのごとく

人ごみに苛々としながら
電車に間に合うか時計をちらり
すんまへんとかきわけ走る

神社仏閣にさして興味がないのは
多分当たり前すぎる存在やから
歴史に関心がないのは勿体無いって
東京の人はいわはるけれど
お台場フジテレビのほうがずっと興味深い

うちは生粋京おんな
はんなりとはほど遠いやんちゃなおんな
都会に憧れる田舎のおんな

でもな、この街嫌いやないよ


自由詩 京都のおんな Copyright あ。 2009-06-02 23:43:35
notebook Home 戻る