「掻爬」(そうは)
月乃助

 蒼茫の光海
 耳を欹てる
 束帯の衣擦れの音
 冠の梳毛
 周りは、
 相貌さえも不確かな群れ
 過去の粗相など
 我知らず
 塊り
 いつまでも騒めく
 どこまでも
 糟粕を掻き出す
 知らぬ間に
 その群れを覆う
 明かりは損耗、
 滓に生まれた私
 形もなく、名もなく
 小さく流れ去った


自由詩 「掻爬」(そうは) Copyright 月乃助 2009-06-02 01:52:53
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