鮮麗
月乃助


 先途は、
 未踏の薄緑
 陽も避ける森の蘚苔(せんたい)
 生み落とされた前非の
 広がる
 千尋の万苦を覆い尽くす、侵食
 闡明(せんめい)とうつむき
 躊躇わずに
 小径を逃れ
 安寧の前轍に嘔吐し
 柔らかな木の間を歩き始めた


自由詩 鮮麗 Copyright 月乃助 2009-06-01 10:42:09
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