HATAMEKI
湾鶴

はらはらと舞う絹の流れ
おりるおちるゆらぐたおやかに

君は見ていたのかい
見てしまったのかい

あの時 僕は風に みとれていたから
よくしらないんだ

たしか、お昼過ぎだったよね
砂埃がまぶしかったし
おなかもすいていたし

誰もいなかったとおもったのに
そうか  いたのか

君で終わりにしよう


そう つぶやくと
釣鐘らしき物が飛んできて
私の頬と耳肉をインパック
おいおい いきなり不意打ちかよ
あっさりやられてしまったじゃないか

耳鳴りの中 横から見た彼は
ラップを裸足できざみながら
唾を吐き吹き
しきりに天井をけしかけていた


ここはやはり死んでおこう
先週末はなにも起こらなかったし
月曜日もなにも見なかった

窓辺のカーテンドレスが
最近、風をはらんで
よく舞っていただけのことだ


自由詩 HATAMEKI Copyright 湾鶴 2003-09-26 03:11:00
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