過去の遺物
こめ

写真にうつっている僕は

満面の笑みでカメラを見つめていた

でもそれは過去の遺物

その写真にライターで火をつけて

灰皿になげすてる

今なら言えることは

昨日は言えなかったため息

ずっとずっとこのままだと思った

けれど振り向くとわかってしまった

思い出は過去のことしか

思い出とは言わないと言うことを

いちめん白銀の世界の

宮殿に赤い血を一滴たらしました

その血だまりはじょじょに広がり

世界は濃い夕焼けが訪れた

うつ向いても見える物は

必ず自分の足と地球だけ

暗闇で必死につかんだのは

貴方のさしのべてくれた

テノヒラでした

自分の美しさは一番わかっているよ

だから自分が好きになれない

頬をつたうのは

生ぬるい涙だけ

迷わず君の所での道を

税金をかけて作ってほしかったな

分かったふりしてわからないのは

それだけこの世が絡みあっているからだった


自由詩 過去の遺物 Copyright こめ 2009-05-28 00:21:20
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