マカロニ
nonya
たっぷりの熱湯の中に
捨て台詞を少々加えて
マカロニを入れる
いつまでも未練がましく
くっつかないように
十分注意しながら
再び立ち直れるまで
何回か掻き混ぜる
アルデンテを気取らないで
愚痴っぽさが残らず
惨めさを感じないよう
耳たぶより柔らかめに
茹でると良いかもしれない
茹で上がったら素早く
余計な涙を断ち切り
前向きに塩胡椒をふったら
しばし頭を冷やす
ちなみに次の恋まで
時間が空くようだったら
オリーブオイルをまぶすと
後ろを振り返りにくくなる
マカロニが醒めたら
あらかじめ下ごしらえしておいた
ハムとかキュウリとかニンジンとか
ロクでもない連中を加えて
マヨネーズで和えるのだが
誰かが忘れていったレシピで
作ったマカロニサラダを
静まり返ったテーブルの
端っこに置いてはみたものの
マカロニって
どんなにお洒落に着飾っても
どんなに周りで騒ぎたてても
いつも真ん中は
空っぽなんだなあ