木漏れ日に息を殺した
瞬きは影の重みに堪えかねて
いつしか消えてしまっていた
どうにも白々しいあなたの
くちびるの薄さから目を逸らしてきたのは
意味もなく上がる、その口角に甘んじて
何となく支えられてきたから
実際どうなのかだなんて
気にも止めないつもりだったのに
雨に濡れるスミレのように
したたかなのだと、自惚れていた
恥ずかしげもなく触れるのが
いけないことのように思えてしまった時から
裏切られることばかり恐れて、
五月の日差しに溶けたあなたの
今日をもぎ取ってしまおう
次の日には固まる筈の生命が
わたしを脅かそうとしているので
やわらかな視線を見逃すことが出来ないのは
あなた故の心臓発作が
先ずはわたしを狙おうとして
頑なに、身体を侵しているからだ