「僕/君/くじら」
日朗歩野


生まれたばかりの君は
まだ数えるほどしか
ものを
もってない

まだ ものを 欲しがらないし
きっと わからない
でも、「これを君に。」ってあげるとき
僕はとてもドキドキする
君のものなんだよって
おなかにのせてみたりする


またしても
時間を飲み込んだ やさしいくじらが
僕のおなかの中にあらわれる

そして
「ほんとうに よかった。」って
気持ちの波が みるみる僕から溢れて
僕らを包む


生まれたばかりの君は
あたたかい光の海に
つながっていて
くじらは そこにすんでいるんだとおもう。


自由詩 「僕/君/くじら」 Copyright 日朗歩野 2009-05-25 21:35:00
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