晩鐘
遊佐
貴方の影を決して踏まぬようにと
いつも三歩下がって歩く癖が
いつしか身に染み付いていた
夕暮れに伸びて行く影法師は
遠のいて行く貴方の背中、貴方との距離
沈む夕陽を従えるように
貴方は歩いて行く
私を置き去りにして
そして…
貴方は夜に融けてまま私は二度と貴方の影を踏むこともなく
明け方に
影の無い貴方の後ろを歩き続ける
何処までも
何時までも
自由詩
晩鐘
Copyright
遊佐
2009-05-25 14:02:34