料理と詩について
あ。

はじめて母親のお手伝いをした日
食卓には不格好なハンバーグが並んだ
焼きすぎてかさかさになったそれをかじり
父親はくしゃくしゃ頭を撫でてくれた

求めていないとは言わないけれど
ただ、とっても単純なことで
褒めてもらうと嬉しいのは
大人になっても変わりはしない

くつくつと煮物を作っていると
額にうっすら汗をかく
首にタオルを巻いて時々ぬぐう
ちっともスマートじゃない姿だ

笑顔があればそれでしあわせ
おいしいねって
頑張ってるねって
頭を撫でてもらえれば
充分満たされるんだ

難しいことは出来ないしやらない
簡単なことでいいから丁寧にやる
きちんとやって褒められたら喜ぶ
これは家事炊事だけのことじゃない

わたしは
そうやって
詩を書いている


自由詩 料理と詩について Copyright あ。 2009-05-25 00:05:47
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