地の海
砂木

背中会わせた粒に分け入り
壊さぬように水を汲み上げるため
細く柔らかい根が
灯りもつけず 土を進む

折られる季節
軽い音先に連れ去られる
綺麗なところを
好いて微笑む指

見知らぬ所で
見知らぬ者を慰め
どこへ行こうと

土の中に枯れながら
根は歌う
私が咲かせた
花を枯らすものは
私の心だけだと

過ぎ行く花よ
響き輝け






自由詩 地の海 Copyright 砂木 2009-05-24 23:00:59
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