罪悪感
ローザ

きらきらした
ローズクォーツの欠片を
人差し指と
親指で 摘んで
のみこんだ

鋭角に磨かれた角が
のどの内側を抉る感覚と
冷たい異物の下る感触



温かいものはいらない
ホットミルクの
舌に溶けるぬるつきでさえ
込み上げてきて
いやな唾液があふれるんだ



かきりと冷えた
頼りのない柔さのペットボトルの水で
しっかりと嚥下して




腹の中に
愛を宿した





こうでもしなきゃ
なんの感情も湧かない




まやかしの色気を
ふりまく香りにも


喉の管を
わざわざ細めてしぼりだす
うわずった
わめき声も






こんなことしても
なんの感情もわかない



他のいきものの
ハートが脈打つやわらかいところが


ぼくの場合
発泡スチロールの粒で塞がってからからなんだ





それでもね

くすんだ毛の嗄れた声の猫を
誰もが見ぬふりをきめこむものでさえ
目を逸らせない
君が





死んだ目のぼくの
外側を撫でてくれたから






ぼくは変わらないけど


普通にできるのに
憧れた




ぼくは変わらないけどね




自由詩 罪悪感 Copyright ローザ 2009-05-23 22:31:57
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