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木葉 揺

退廃的に胸は動いて
物語に首を絞められる

どこにもない物語の
粘膜が私をのんで
溶かそうとするから

       (まだ見たいものがあるのか)

つまらない人間として咲いている
私の映像が確かに顔を覆っている
首の痛みにひれ伏す瞬間にも
親しい人の呼び声をつかみ
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自由詩 目を閉じる Copyright 木葉 揺 2009-05-23 20:37:55
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