五月の夜/六月の闇
吉岡ペペロ

彼女と仕事をしてると楽しかった
たぶん仕事が終わればそんな気持ちもなくなるって思ってる
ぼくはクリエーターだ彼女は実務をしてくれてる
この広告の小冊子づくりが終わればチームは解散する

ちょっとした言葉づかいや色づかいで
1ミリや2ミリの画像の位置で
どれがいいのか分からなくなってくるフォントの選択で
彼女の帰宅時間はこの数ヶ月間遅れっぱなしだ
だけど飯に誘ったことも一緒に帰ったことも
ましてや夜を誘ったこともない
ただどきどきしながら共同作業をしてるだけだ
それはそういうことの結末を僕が知ってるからだ

五月の夜は六月の闇の深さに続いてる
花や緑の芳しさに釣られることはもうない
それはそういうことの結末を僕が知ってるからだ

彼女と仕事をしてると楽しかった
たぶん仕事が終わればそんな気持ちもなくなるって思ってる
ぼくはクリエーターだ彼女は実務をしてくれてる
この広告の小冊子づくりが終わればチームは解散する


自由詩 五月の夜/六月の闇 Copyright 吉岡ペペロ 2009-05-22 22:06:41
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