世界主義者
瑠王
きょうもだいちにあいたたくさんのちいさな穴を
うめにいくのだと、ひとびとはかばんをかたてにでかけてゆく
ひとつでも穴がのこされていればふあんで
しかたがないのだと、ひのくれるまで
ひとびとがだいちの穴をさがしてはうめてを
くりかえしているあいだに、わたしは空のほんしつをながめていた
空をうめることができるのはくもだけなのだと
おもった
せかいはなんてひろいのだろうだけど
わたしたちがみているものだけがせかいなのだとしたら
せかいはなんてせまいのだろう
と、くりかえしているあいだに
ひとびとはきょうの穴をうめおえていた
空をうめることができるのはくもだけなのだと
おもっていたけれどもうひとつ、あった
もうひとつ