世界主義者
瑠王

きょうもだいちにあいたたくさんのちいさな穴を

うめにいくのだと、ひとびとはかばんをかたてにでかけてゆく

ひとつでも穴がのこされていればふあんで

しかたがないのだと、ひのくれるまで


ひとびとがだいちの穴をさがしてはうめてを

くりかえしているあいだに、わたしは空のほんしつをながめていた

空をうめることができるのはくもだけなのだと

おもった


せかいはなんてひろいのだろうだけど

わたしたちがみているものだけがせかいなのだとしたら

せかいはなんてせまいのだろう


と、くりかえしているあいだに

ひとびとはきょうの穴をうめおえていた


空をうめることができるのはくもだけなのだと

おもっていたけれどもうひとつ、あった

もうひとつ









自由詩 世界主義者 Copyright 瑠王 2009-05-22 16:38:04
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