エロケチャップの夜
吉岡ペペロ

女が父親と住んでる家に泊まった
父親はアボジで通称アボ
アボは晩から登山に出掛けている
ひとんちでこんだけ寛いでしまうのは才能だろう
大学のとき開花した才能だ
自宅生なのに家には一ヶ月に数度も帰らなかった
男や女いろんな同年代の奴に泊めてもらった

結婚はしてるから一応愛人の実家に今いることになる
パンツとワイシャツのまま寝転んでテレビを見ている
女がアイロンをかけている
こんな人生もあったかな
足で女にちょっかいかける
あと何時間もすればこいつを好きなようにしているのだろう
パンツにはペニスの隆起
買ったばかりのドライバー
はやく打ちっぱなしで打ってみてえ
そんな欲望となんか似ている

生理だからナマでして、こう言われると
ゴムをつける訳にはいかなかった
全然気のりはしないけれど
この関係を続けるためだけにナマでやった
濃厚な粘膜にゆっくり沈めてゆくと
女はいい息を吐いて快楽に弛緩した
ペニスは口紅のようになっているだろう

朝布団は渇いた血で汚れていた
パンツにも茶色い血のあとが走っていた
女がそれを心配して洗濯してくれた
アイロンまでかけてくれた
家に帰るまえ打ちっぱなしに行って
パンツを汗で疲れさせて汚さないといけないと思った


自由詩 エロケチャップの夜 Copyright 吉岡ペペロ 2009-05-20 13:04:04
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