ボレロ
瑠王
故モーリス・ベジャール氏に捧ぐ
魂が徐々に
輪郭を帯び
しなやかな闇の
波を抜けて
姿をあらわす
共に
時の砂はおち
動脈をめぐる
旅が始まる
歩度を絶やさず
世界を踏みしめ
雲路を辿る
命を讃え
赤い花は
終焉を求め
咲き誇る
歩一歩
共鳴する
大地の脈動
手をひろげ
共闘する
生命の手足が
命が
輪郭を刻む
踊る 踊る 踊る
人の子ら
情熱の
赤を象り
定めを
踏みしめて
進む 進む 進む
終焉を求め
咲き誇る
艶やかなる
鼓動
激しく
地に伏せる
命 命 命
緞帳を
超えて
続く 続く 続く
時折
人であった
そのもの
振り乱し
響く
魂の声が
声が
声が