ジルとセル
Giton

ちぎれた下着放り捨て
はだしで水と草を踏み
風は吹き、腕と腕ふれながら
セルジュ、きみと歩いていこう
…ぼくは還って来たのだから…
草そよぐ木陰の続くかぎり

きみとなら、森のざわめきも恐くはない
のやみも、ぼくらをやさしく包むだろう
やがて地平に、きみとむかえる朝が
生まれたての世界のようにかがやく

ぼくらは、ふたりに分かれ、またひとつになり
またふたりになって歩き出す
ぼくのなかにはきみが、きみのなかにはぼくがいるから
…ぼくの身体のなかで、きみが熱く脈打っている…



自由詩 ジルとセル Copyright Giton 2009-05-19 12:46:46
notebook Home