鳥籠の中
猫のひたい撫でるたま子

真夜中の真っ赤な赤色

ダイアモンドの純白

朝方の侵食する窓辺

首の影が長くのびた

涙の色は水色だった

鈴屋の前で迷子になって

珈琲の味は処方箋

人を人質にして笑った会話

黒い菊を死人にあげて

高速移動で走った夕べ

雪でまっしろな夜に

ごめんなさいと言葉を聞いた


別になんでもない借景

あれから何年経ったんだろう

誰にでもない言葉を

何も変えられない世界を

漸近線で歩いてゆく

間違えないと、正解もしれないって

間違えたくないけど

知ってる。


自由詩 鳥籠の中 Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2009-05-19 08:22:14
notebook Home