マシュマロ島
ふるる

マシュマロ島がくるくるまわりながら
洗濯機の中身のようにまわりながら
汚れ落ちのように
溶けてゆくのです
ココアがだんだん白くなる

さっきベランダに来てちょっと鳴いて
行ってしまった鳥がまた来て
また、鳴いた
外は曇りで
雨なら洗濯物をしまわないと でも
あの小さな歌い手を
驚かせたくないな

わたし、主婦で三年目だけど
色々なこと
うまくやれていると思うの
今でもお姑さんは苦手だし(だって変な靴贈ってくるから)
ゴミの分別にいまいち自信が無いし
お腹はいつまでたっても膨らんでこない
でも
独り言は大分慣れたのよ

この白くてやわらかそうなマシュマロ島に
漂着して
小さな鳥と一緒だったらいいかも
べつに不満とか不幸ってわけでは
ないんだけれど
つまり
飽きたっていうのが手っ取り早いのかな
ココアだって飲む気しないんだけど
習慣でいれている

お友達は
仕事や趣味に忙しいみたい
わたしだって仕事や(パートだけど)趣味(映画とか)あるけど
目の前にすごくすごく大きな
何も入っていないカップがあって
その周りをぐるぐる回っている気がするの

マシュマロ島はもうすっかりとけて
わたしが漂着する場所はない
鳥なら飛んでいって好きな場所で鳴いたりできるけど
わたし、主婦で三年目だから
やることちゃんとやって
それから
それから
それから


自由詩 マシュマロ島 Copyright ふるる 2009-05-18 10:02:35
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