歩み×歩み=靴の片方 副題としてのXの代入方程式
秋也

いかようにも掲げた旗は
マンモス柄よろしく
毛づくろいをハジメ
祝河に
賛賀に
哀構えては
喜びと諭す
猫の欠伸
薄い唇は歌舞伎のようで
ヨー、世、良いと
一区切りに
ニャーと鳴く
憐れ久しきかなと
怖気づけば
捕鯨船が一斉に切り落され
ペイント弾が炸裂したもう永久
絡みつく厚い唇
仁義無しとて
いたずらに
エロ獲ろしくも奉る
神、風、舌、下
やや、ヤヤ子
舌からませば
都の下に城壁が埋もれるとの
噂は76日目に入り
薄れゆくも残りつつ
明日や幾年後の朝靄のごとし

味噌汁つくりては
大根を健忘し
いつもいつも

揚げを四角に刻む
「いいよ、いいよ」
という背中が渋く
不格好な大きめの揚げと重なり
彼も素直に優しく
宮で過ごしているのだと
裸足で悟る
ィッシュの哲学は
靴のようなもので
ガー・サイモン・ばんくる曰く
保護すると同時に歩ませる役割を担う
と北欧人のたもうていりゃんした
臆病な兎のような私は
大きな白黒の犬を飼い
ここまでおいでと
対岸にて
さても激しく姉を欲し
叶わぬと知覚し
脳を泣かせる
今日
渋谷で
岡本太郎の
『明日への神話』をみた
たくさんのギャルがフラミンゴを思わせるのは
街特有のご愛敬で
両者あいカクマッテ
足を止めて
あそこでよかったんだと照れる
一人
自分
にっこりと笑って
半蔵門線の改札へ忍び
少し迷い
澄ました顔でうふふと秘密で
ハッピーエンドと
家路へ急いだ

お味噌汁冷めないうちに召し上がれ





自由詩 歩み×歩み=靴の片方 副題としてのXの代入方程式 Copyright 秋也 2009-05-18 03:19:56
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