『蒼の日』
あおい満月

スライドする
月が笑う
夜の窓辺

憂鬱を孕んだ
胸が冷える鼻先

わたしはわたしの行方を
ポケットに押し込んだまま

吸い込まれる
終電の渦

たった1mgの錠剤で
繋ぎ合わせた
こころと身体

雲の行方を追うように
空を彷徨う

誰の

死も

生も

救えないならば

ここにいる資格はないと

拳を握った
わたしは今、
何をしているのか

他人は他人を認めない

ならば
せめて自分が
自分を認めること

認め続けること

そうして人は
生きている
生きていく
最期まで

伝わらなくてもいい
ただ、見ていてくれるだけでいい

もう誰にも
云いたくはない

あなたの味方は
あなたなのだと

何度も
雑踏にまみれた
ことばを
繋ぎあわせた
パッチワーク

それを風に靡かせて
わたしは一日をやり過ごす

わたしには
わたししかいないのだと

鏡を覗く

瞳が哀しい

いつも


                        2009.5.16(Sat)




自由詩 『蒼の日』 Copyright あおい満月 2009-05-17 19:06:38
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