絶対
鈴木まみどり

た行とな行のあいだには
明らかに海溝があり、
そこにわざと忘れてきたものなんてのも
あったかもしれない

海だ、食い散らかす、う み

ひらがなは大概、星で、
わたしはそのあいだに目を凝らしたい
沈黙は黒でもあり、
白でもあるのだった


ごめん、矛盾、
それは脳だった、思考だった
肌も目も信じない、
言葉は舐めても甘くはない、いや、


迎合はしない
虚勢をはる
きみとの約束だったら、
守る
配慮は、ひとさじ、

感性のなかで泳ぎを強いられ、
論理はひずみのように何度も愛でる
理論は信じな い!

花の名前は、
季節をまたげば忘れてしまう
色は、
つくりだす

と どまらない
言葉によって選ばれない
きみに新しい名前をつけ続ける
生む、う みおとす、


思考、


目から脳、脳から、口、
指、

わたしが言葉を選ぶ!


ぶつ 理
スイッチを押して、
言葉を消去するエネルギーだ
届かないメールは宇宙をさまよっている

無関係な星と星のあいだ
光のスピードで、
私の寿命をのばした

星が海にいる
う  みおとす




自由詩 絶対 Copyright 鈴木まみどり 2009-05-14 21:12:14
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