ヴェランダから
瑠王
このヴェランダから
もう何日もずっと、雨がくるのを待っている
晴れの日も曇りの日も
安らう日を待っている
このヴェランダから
草原は見えないけれど
たくさんのヴェランダが見える
焦躁の火も悲境の火も
みんな雨を待っている
このヴェランダには
なにもないけれど
やっとの思いで糸を紡ぎながら
繰る日も繰る日も
雨がくるのを待っている
このヴェランダの
剥げかけた白い塗装と
私の頬をつたう水銀の涙を
洗い流してくれる
雨を待っている
ひとときであろうと安らう日を
待っている
自由詩
ヴェランダから
Copyright
瑠王
2009-05-13 15:01:56