『摩耗カタルシス』
Leaf

サイケデリックな朝焼けにくるまれながら
春先賑わう潮騒と
柔らかに靡く飛沫の行方を
粒羅なその瞳で追いかける童心を忘れないでおこう

そこに巌として存在し
晒され削られ続けた岩壁のように生きるは挺身の美徳

大人になるということ
それは感受性の鈍化を享受することなのか

さぁ凪に向かおう
さぁ潮風の尖端に当たろう

泳ぎ疲れ
歩き疲れ
立ち止まったなら
我が身啄む凛々しい海鳥の嘴に委ねよう

そして少しずつ・・・
少しずつでもいいから
殻は破られていけばいい

あの吐息は戻っては来ないのだから
今は紺碧の海と紅の朝焼けとが入り混じる断崖の先端に立ち

さあ、跳ぼう
さあ、跳び込もう

そして
凪に向かおう
潮風の尖端に当たろう

トルネードな夜の帳が明けるちょうどその頃
サイケデリック・リーフ・ショアで






BGM:Reef/Waster


自由詩 『摩耗カタルシス』 Copyright Leaf 2009-05-09 21:22:43
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