氷柱
笹子ゆら
わたしの心は凍てついて
透き通って
淋しいくらいに鋭くて
全てを見失いそうに
なる
その先の方で
あなたの心の奥に
突き立ててしまったらと
考えることすら
ひたすらに侘しいのに
砕いてしまえば
きっと
自分をなくしてしまうって
分かっていたから
甘い罠にはまり続けていた
寒い日の真夜中に
気付かないふりをして
その冷たさに触れて
おもむろに舌を焼かれた
あなたの心は凍てついて
思い出す暇も与えないまま
悲しいくらいの鋭さを
誰かの毒で覆い隠して
正当化してしまえば良い、と
自由詩
氷柱
Copyright
笹子ゆら
2009-05-09 16:42:48
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