春に産まれた女の子の話
蝶澤

「寒いと涙が出るのよ」

視界はこんなにもやわらかいのに

肌を突き刺すような気温、風



散歩に出かけても

猫に出会えなかった



濃い珈琲を舌にしながら

見えぬ未来の話

なんだかんだいって自由な家族

次女、末っ子

なんだかんだいって堅実な自分

長女

泣かない



立ちはだかる木蓮



暑かったり

寒かったり

突風が吹いたり

芽吹いたり

なんて情緒不安定



私が産まれた季節



花柄のワンピースに着替えて

でかけましょう



自由詩 春に産まれた女の子の話 Copyright 蝶澤 2009-05-07 19:18:15
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