地平線の向こうを追いかけるキリンよりも
皆月 零胤

ここから遠い世界の果てまでゆけば
太陽に触れることができる
子供の頃、そう信じていた

でも、何故か僕は
朝陽が昇る東ではなく
夕陽の沈む西ばかり見ていた

この世の果てに想いを馳せて
ボクの太陽は今も
沈み続けている

それが西ではなく東だったら
人生はまったく違うものになっていた
そうは思うんだけれどね

沈んでゆくしかないんだ
昇ることなんて
考えてもみなかったから


子供の頃は
今よりもずっと空は高かった
でも、今よりもずっと空も近かった

今はもう
空に手を伸ばしても
届かないことを知ってしまっているけれど

あの頃はまだ
願って努力すれば
届かないものはないと信じていた

いや、信じたかったんだろうと思う

だからこそ
中途半端な努力しかしないで
憧れるばかりだった

沈んでゆく夕陽さえも
今は遠いね

悲しいオレンジ色した夕陽が
沈んでゆく
遥か彼方


それは昨日の夕陽よりも
ずっと遠い

ずっとずっと遠い


自由詩 地平線の向こうを追いかけるキリンよりも Copyright 皆月 零胤 2009-05-05 22:03:21
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