『疎マシクモシラバックレル日常ノ窓枠』
Leaf

云うに事欠いて

波動と粒子の二重性についてとか

矛盾許容論理についてとか

それぞれの箱庭に追想を重ね

非現実との狭間に浮遊する彷徨ひ人を羨む

磨り硝子に映り込むこともなく

バックスピンかけながら前方に放るそれは

渾身の力で振り搾った魂の塊り

必ずや、必ずやと

手元手繰り寄せるように

両手いっぱいピンと伸ばす

それでも

一旦放したそれは攪拌された大気圏内を充満し

排気混じりの外気を思い切り吸い込んではまた吐き出す

汚れていくけど磨り硝子の向こう側

何かに阻まれ

何かに遮られ

見えるようで見えない窓枠の向こうを

疎ましくも想ひ

羨ましくも想ふ日々

自分で嵌めた足枷を忘れ

そして

忘れた足枷を自分で外すとき

それは蜉蝣のように揺らめき

自分で作り上げた蜃気楼だということに今更気付く

日常を越え

日常に生きる

疎ましくもしらばっくれる日常の窓枠について

ただ眺めるだけの日常が

日常でなくなる日まで

搾りかすは決して抜け殻じゃないとして

明日を見ようとする

懸命にまたは賢明に







BGM:Coldplay/The Scientist


自由詩 『疎マシクモシラバックレル日常ノ窓枠』 Copyright Leaf 2009-05-05 20:44:35
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