ハイ・ストーリー
くろね

僕がすう、と
酸素を吸う、と
少し薄くなった空気は
首を傾げているような

色なんて無いなんて
どなたが云ったか解らないが
ずいぶん怪しからんことを
思うものだな

はじめからドレミファソ
聴こえちゃいないんだ
雨はただ落ちることだけ
考えている

再び、すう、
僕が散じていくような
掠れた声が少しばかり
入って、出た

煙のように
数を多くしたから
好いものじゃないのよと
叱られるのも解ってる

そして薄く幽かに漂う君を
すう、


自由詩 ハイ・ストーリー Copyright くろね 2009-05-05 18:17:48
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