あの人
蝶澤

強くなってきた日差しの下
春の病の下

方程式を何度も繰り返し解きながら
来ぬ便りばかり気にしながら


瞼の裏の宇宙で探し物をしながら
深夜の隅っこを探して
旅をしている・。

果実の匂いだけは大丈夫
少女が未来を見下している
少年が空間を睨み付けている
そんな2人は出逢ったが、すれ違っていった
古いオルガンの音が気持ちいい
記憶ばかり人より多い


水中、自ら息を止める
図書室で見つけた、貸し出しカードに君の名前
気づくと呼吸をしていない


自由詩 あの人 Copyright 蝶澤 2009-05-05 16:52:03
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