大後悔時代
あおば

                     080504


戦争すると儲かるのです
弱い人は、ほっといてもすぐに死ぬのです
お金をかけるのは無駄なことです
老人は、65歳を過ぎたら
乳母捨て山に登りましょう
登れないほど足腰が弱いならば
山駕篭を雇って上がってください
料金は前払いです
必要経費として控除がありますので
扶養者には恩恵があります

生きているものは
おもいきり鍛えて
戦争に行くのです
憎い敵をやっつけて
財産をぶんどって
領土を増やし
国力を増し
戦力を高め
国家間の警察官を勤め
世界を安定に保ちます
だから
若者は銃を持ち
銃を持てない軟弱者は
銃を持つ方に従って
銃後の務めを果たすのです
協力できない大バカ者は
このクニから出ていってくれ
専用の機帆船を用意するから
一人10キロ以内の手荷物を持ち
裏口から乗船しなさい
来年からは
機帆船はすべて軍の管理に入るから
泳いで行くか
外国船に便乗するしかないぞ
金の無い奴は
今年中に港に集合しろ!

まさかそんなことはないよねと
時代錯誤の逆夢を見た朝に
定額給付金の交付手続きをする






「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作、タイトルは、木屋 亞万さん。



自由詩 大後悔時代 Copyright あおば 2009-05-04 23:41:24
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