金色の蝶
あ。

金色をつかもうとして
手足をばたつかせていたら
きみはぽつり
ゆきがふってるよ、
と言った

確かに頬には雫があって
ほてった身体を冷やしていく
雪が降っているのは恐らく
ずっと奥の奥なのだろう

はる、なつ、あき、ふゆ
幾度繰り返しても
変わっていくのは季節だけで
他には何も変わらないって

不変なこころに焦がれていた
流動するものを受け入れることが
動きに沿っていくことが
強さだなんて思いたくなかった

銀の雪はしんしんと積もる積もる
見える部分はあったかくして乾かした
口角の上がったマスクをつけると
きみはひらひらと笑った

まるで
花の間を飛び回る
こんな季節にお似合いな
金色の蝶のように


自由詩 金色の蝶 Copyright あ。 2009-05-03 23:06:10
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