金色の蝶
あ。
金色をつかもうとして
手足をばたつかせていたら
きみはぽつり
ゆきがふってるよ、
と言った
確かに頬には雫があって
ほてった身体を冷やしていく
雪が降っているのは恐らく
ずっと奥の奥なのだろう
はる、なつ、あき、ふゆ
幾度繰り返しても
変わっていくのは季節だけで
他には何も変わらないって
不変なこころに焦がれていた
流動するものを受け入れることが
動きに沿っていくことが
強さだなんて思いたくなかった
銀の雪はしんしんと積もる積もる
見える部分はあったかくして乾かした
口角の上がったマスクをつけると
きみはひらひらと笑った
まるで
花の間を飛び回る
こんな季節にお似合いな
金色の蝶のように