万華鏡の景色
北星三天






まだ春だと言うのに
焼ける万華鏡の景色


溶けていく




まだ碧き獅子の
輪郭が弧を描いているのに


溶けていく






降り続ける時と

歯止めの無い

感情の抑揚を抱え



溶けてしまいそうです



ぽつんと置かれた

大地の景色に

薄れてしまいそうな



色に染められた

自分自身の影を


見失わないように

見失わないために


焼けるような

万華鏡の景色に

終わったしまう春に



僕自身で回して


回っていく景色を

記憶の鏡に映していきたい


そうして

僕は映して生きたい




自由詩 万華鏡の景色 Copyright 北星三天 2009-05-02 18:01:28
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