「はるか」
ベンジャミン

 
 
風のはじまりは
海の青を透明にしてのぼってゆく
高く 高く 舞い上がった小さなものたちの
無邪気にかけおりてくる足音と
弄ばれる髪の乱れ

平らな大地に住む僕も
できることなら透明になってしまいたい
そして 高く 高く 舞い上がってみたい、そこから
見える景色が美しいと思えるほどの高さまで
たとえば宇宙から見た地球

想像することしかできないのではなく
想像することを許されているのだから

はるか はるか それは
僕ら みんな それぞれが

たとえば一つの希望を掲げて
歩き出す一歩から生まれる

大海の風より小さな
壮大なこころの中に吹く風

    


自由詩 「はるか」 Copyright ベンジャミン 2009-04-30 23:17:54
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