旅路
ふくだわらまんじゅうろう

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ひとはみな
利己的なもの
それでいいのだ
利己的でなくて
何ができる
おのれを大事にできないものに
何を大事にできるというのだ
己を愛せないものに
何が愛せるというのだ
己を知らずに
他を慮ったところで
どこへ往けるというのだ
ひとはみな
己を愛せよ
己を知れよ
己を愛し
己を知り
己がただ己のみに終わらぬことを
己がただ己のみにあらぬことを
悟ってはじめて
己の
己に繋がる
己の
すべてを
愛することができるのだ

誰が
あなたを
愛さずに生きられよう

だから友よ
未だ己を悟らず
迷いの中にある者を
許す心を持ってほしい
なぜならば彼らもその階段を
登りつつあるのだから

だけど友よ
愛があなたを許さず責める
そんな夜には
思い出してほしい
甘い酒に酔い痴れてもいい
涙に枕を濡らせてもいい
そんなあなたを
誰にも責めることはできないのだ
誰もが道の
途中に在るのだから

道の真ん中を歩いて行こう
答えは遥か
道の向こう
あなたも
わたしも
誰もが道の
途中に在るのだから





自由詩 旅路 Copyright ふくだわらまんじゅうろう 2009-04-23 21:18:06
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