パニクる
nonya
震源地も定かではない
取るに足らない心の揺らぎを
マイナス思考回路で増幅させ
大津波が来ると身体じゅうに触れ回る
さっそく駆け出していく
おっちょこちょいの鼓動と呼吸
長期休暇をとっていたはずの
なまくらな筋肉がいきなり完全武装する
白眼は赤くひび割れて
痺れた指先からは地下水が噴き出す
たったひとりの非常事態
事件は会議室でも平気で起こる
起こるはずがないとくしゃくしゃに丸めて
ゴミ箱に放り込んだ妄想を
お節介にも拾い集めて
ご丁寧にシワを伸ばして
声にまで出して読んでしまう
そんな不条理な律儀さを
どうしても憎み切れないでくのぼう