故郷再訪
生田 稔

故郷再訪

車窓より比叡の山に霧立ちて緑濃くなる朝十時

傍らの妻は平家の物語読みつつわれは景色をおいぬ

五歳より三十五まで住まいせし京はなつかし心はやりて

春景色浮き立つ志賀は通り過ぎ山科の駅はまぢかし

昼食に立ちよりし店は錦林小学校の近くにありて

百万遍かぎ屋の菓子をはじめて求めリ戦争終わり

そよ風の吹くホーム滋賀の駅には帰りつきたり


短歌 故郷再訪 Copyright 生田 稔 2009-04-19 20:58:12
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